映画っていいねえ。本っていいねえ。

映画や本の感想など。ネタバレ全開なので、ご注意ください。

映画

『コーダ あいのうた』ネタバレ感想②

※注意!『コーダ あいのうた』のネタバレがあります。 『コーダ』の感想の続きを書きたいと思う。前回はルビーについて書いたが、今回はもう一人のヴァージンについての感想だ。 nhhntrdr.hatenablog.com 『コーダ』はヴァージン型主人公ルビーの話だと前回…

『コーダ あいのうた』ネタバレ感想①

※注意!『コーダ あいのうた』のネタバレがあります。 今回、感想を書きたいのが『コーダ あいのうた』。過去にも何回か感想は書いているのだが、今回は「ヴァージン」という概念を踏まえての感想を述べたいと思う。 ※ヴァージンとは、キム・ハドソン氏が『…

キム・ハドソン『新しい主人公の作り方』――女性的ストーリーを生きる「ヴァージン」という主人公像

物語は大きく「男性的なストーリー」と「女性的なストーリー」の2種類に分かれるらしい。これは主人公が男性か女性かという違いではない。男性的なストーリーというのは「ヒーローの旅」であり、女性的なストーリーとは「ヴァージンの自己実現」であるとキ…

最近観た映画の感想を手短に書いてみる(ネタバレあり)

またまた更新が滞りまして、申し訳ありません。二週間近くサボっていると、すっかり文章を書く感覚も鈍ってしまいまして(言い訳)。 今回の記事は、リハビリも兼ねた短文感想を連発するようなスタイルで行ってみたいと思います。ここ最近観た中で、記憶に残…

『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』についての雑感(ネタバレあり)

※注意!『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』のネタバレがあります。 私はマクドナルドが好きだ。モスバーガーも美味しいし、バーガーキングやフレッシュネスバーガーも愛好しているのだが、最後にはマクドナルドに戻ってきてしまう。 生まれて初めて…

『日本の夜と霧』ネタバレ感想

※注意!『日本の夜と霧』のネタバレがあります。 大島渚監督の初期作品『日本の夜と霧』。1960年に公開された作品で、学生運動が大きなテーマとなっている。1960年と言えば安保闘争の年。6月、デモに参加していた女子大生・樺美智子が闘争の最中に圧死した事…

『大島渚全映画秘蔵資料集成』を買った

欲しい欲しいと思っていた『大島渚全映画秘蔵資料集成』を購入した。新文芸坐の『戦場のメリークリスマス』上映会で著者・樋口尚文さんのサイン会が開かれると聞いて、買うなら今だと決断した次第。 6/17(金)は、新文芸坐にて『戦場のメリークリスマス 4K修…

『ジョジョ・ラビット』ネタバレ感想

※注意!『ジョジョ・ラビット』のネタバレがあります。 『ジョジョ・ラビット』を今さら観た。良かった!めちゃくちゃ良かった!もっと早く観るべきだった! そういうわけで、私は傑作に出会えた喜びで少々興奮している。以下の文章も、興奮が抜けきっていな…

最近観た映画についてネタバレ感想(2022/5/22、『えんとつ町のプペル』、『君の名前で僕を呼んで』)

※注意!『えんとつ町のプペル』、『君の名前で僕を呼んで』のネタバレがあります。 すみません、更新をサボっていました。基本的に気まぐれな人間なので、更新の頻度にムラが出てしまうのがいけないなぁと反省しております。今後も気まぐれ更新で続けていく…

『エセルとアーネスト ふたりの物語』ネタバレ感想

※注意!『エセルとアーネスト ふたりの物語』のネタバレがあります。 子供の頃、『さむがりやのサンタ』の絵本が好きで、何度も何度も読んでいた。その作者レイモンド・ブリッグズ原作の映画ということで、興味を惹かれて『エセルとアーネスト ふたりの物語…

映画に関する雑記(2022/05/02『戦場のメリークリスマス 4K修復版』等)

本文でも書いているが、先日、新文芸坐に行ってきた。せっかくなのでビジホを予約して、ホテルでだらーっとしたり、池袋をブラブラしたり、タカノフルーツパーラーで苺パフェを食べたりして、一人旅を満喫したのだった。 いやー、楽しかった!最後の一人旅は…

『茜色に焼かれる』ネタバレ感想――彼女は理不尽さを超えて生きていく

※注意!『茜色に焼かれる』のネタバレがあります。 コロナ禍の時代を舞台にしていると聞いていたので、ずっと『茜色に焼かれる』には興味を持っていた。ようやく観ることができて嬉しく思っている。 主人公が歩くシーンで寸刻、主人公からの目線のカットにな…

『戦場のメリークリスマス』作品中の裏切りについて考えてみた。

※注意!『戦場のメリークリスマス』、「影さす牢格子」「種子と蒔く者」(ヴァン・デル・ポスト『影の獄にて』収録)のネタバレがあります。 二回ほど『戦メリ』についての感想を書いてきたが、その後、ふと目に止まった言葉があった。 セリアズ役のデヴィッ…

映画に関する雑記(2022/4/10、『ディア・エヴァン・ハンセン』『戦場のメリークリスマス』)

『戦メリ』上映のため片道三時間くらいかけて埼玉県に行ったり、『ディア・エヴァン・ハンセン』のブルーレイが遂に我が家に来たりと、この週末は私の趣味的に忙しかった。 『ディア・エヴァン・ハンセン』をこれからは観たいときに観られるということで、私…

『コーダ あいのうた』に関する雑感

※注意!『コーダ あいのうた』のネタバレがあります。 『コーダ あいのうた』について、過去にちょろっと語ったのだが、もう少しだけ語りたくなってきた。 観賞したのがかなり前なので、内容について勘違いしている可能性があるかもしれない。これについては…

好きなのに、もう一度観ることができないトラウマ映画たちを語ってみる

※ネタバレあります。ご注意ください。 好きなのに、できることならもう一回観たい気持ちもあるのに、観ることができない映画が私にはある。 簡単に言うと、トラウマなシーンがあるために再度観賞ができないのだ。「そのシーンだけ目をそむけたり、薄目を開け…

映画に関する雑記(2022/03/27)

今回は映画に関する雑記にしようと思う。観たばかりの作品から、かなり前に観賞して、少し内容はうろ覚えの作品まで。 色々とネタバレしてあるので、ご注意いただきたい。 実写版『ジョゼと虎と魚たち』 『ディリリとパリの時間旅行』 『黒線地帯』 『故郷よ…

原作『影の獄にて』を読みながら『戦場のメリークリスマス』をもう一度考えてみる

※注意!『戦場のメリークリスマス』、ヴァン・デル・ポスト『影の獄にて』のネタバレがあります。 先日『戦場のメリークリスマス』の感想を書いたのだが、その際に繰り返し本編を見たことで、うっかり『戦メリ』熱が再燃してしまった。 数年前に初めて観たと…

最近観た映画についての雑記――『コーダ あいのうた』、『東京战争戦後秘話』など

以前の記事で『コーダ あいのうた』が気になっていると書いていたのだが、ようやく映画館まで観に行くことができた。 nhhntrdr.hatenablog.com 公開から時間が経っているので、最寄りの映画館では上映が一日一回に縮小されていた。本当にギリギリ滑り込みで…

『戦場のメリークリスマス』わからないからこそ惹かれる名作についてのネタバレ感想

※注意!『戦場のメリークリスマス』のネタバレがあります。 ※追記あります(2022/04/18) ※タイトル変えました(2023/04/13) 気がつけば、アマプラに『戦場のメリークリスマス』が加わっていた。というか、大島渚監督作品が大量に増えていた。 大島氏の作品…

『デスノート 前編』『デスノート the Last name』――これは、高らかに歌われた人間讃歌なのだと思う

※注意!『デスノート 前編』『デスノート the Last name』及び原作版のネタバレがあります。 先日テレビをつけたらWOWOWで『デスノート the Last name』が流れていたので、懐かしさに見入った。 リアルタイム時、前編後編ともに映画館に観に行ったなぁ。もと…

『ディア・エヴァン・ハンセン』ブルーレイ発売決定などなど、映画に関する諸々のこと

さて!『ディア・エヴァン・ハンセン』のブルーレイ発売が先日告知された。もう一回ぐらい映画館で観たかったなぁという悔しさはあるが、家で好きなときに観賞できるのは嬉しい限りである。 わがままを言えば、お値段が張ってもいいから、コレクターズエディ…

映画版『ひらいて』についての雑記。原作ファンも楽しめる作品でした!

※注意!『ひらいて』原作、映画版のネタバレがあります。 今回は映画版『ひらいて』についての備忘録にしようと思う。観賞日からかなり経ったので、少々うろ覚えなところもあるが、だからこそ書きつけて記憶しておきたい。

映画版『私をくいとめて』ネタバレ感想――綿矢りさ×大九明子の名タッグ再び!おひとり様女子の痛々しくも愛しい物語

※注意!映画版『私をくいとめて』のネタバレがあります。 名タッグが帰ってきた! 殻に閉じこもり、みつ子はおひとり様をエンジョイする 脳内相談役「A」という存在 みつ子は変化を恐れる Aとの別れ 最後に 名タッグが帰ってきた! 綿矢りさと大九明子が再び…

『魔法にかけられて』ネタバレ感想――おとぎばなしの王子様と現代のバツイチ弁護士。ディズニープリンセスが選んだのは?

※注意!『魔法にかけられて』のネタバレがあります。 『魔法にかけられて』の続編『Disenchanted』が2022年に配信決定とのことで、今からワクワクしている。日本公開は2008年だったので、14年ぶりかと感慨深い気分だ。 予告編に腹筋を持って行かれた ディズ…

彼にも弱い時代があった!若かりし岡田准一の姿を楽しもう!

※注意!作品のネタバレがあります。目次を見てやばいと思ったら、迷わずバックしよう! 先日の記事でも書いたが、私はV6のファンだ。 nhhntrdr.hatenablog.com 特に応援しているのが岡田准一くん。常に全力で応援していたとは言えないので(すみません、他の…

私の『SP 革命篇』を返して

今週のお題「忘れたいこと」 私は岡田准一くんのファンである。彼が関西なまりでしゃべっている頃からのファンだ。もちろんV6としての活動も応援していたし、俳優業での活躍も嬉しく思っていた。 岡田くんの代表作と言えば、『永遠の0』や『図書館戦争』シリ…

『ディア・エヴァン・ハンセン』感想7回目。シンシア・マーフィーが果たした役割は何だったのか。

※注意!映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』のネタバレがあります。 『ディア・エヴァン・ハンセン』記事も第7回目だ。今まで色々と書いてきたが、ゾーイとコナーの母シンシアに関して、いまいち考えがまとまらずにいた。 3回目の観賞を経て、「これかも」…

【随時更新】映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』感想記事まとめ

当ブログの『ディア・エヴァン・ハンセン』記事が増えてきたので、まとめページを作ってみた。古いものから順番に並べている。 考えがあっちへ行ったりこっちへ行ったりしている過程がまるっと残っているかと思う。これからも考えが変わることもあるかと思う…

映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』感想6回目。リンゴが何を象徴していたのか。前回の記事を訂正しつつ、妄想してみる。

※注意!映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』のネタバレがあります。 ようやく『ディア・エヴァン・ハンセン』3回目の観賞ができた。相変わらず「Waving Through a Window」のイントロが聞こえた時点で泣き、「You Will Be Found」でズビズビ鼻を啜り、「Wo…