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『ライフイズストレンジ トゥルーカラーズ』感想(ネタバレあり)

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※注意!『ライフイズストレンジ』シリーズのネタバレがあります。

 

 

『ライフイズストレンジ』シリーズの最新作『ライフイズストレンジ トゥルーカラーズ』をクリアした。

今回はコロラドが舞台。舞台となるヘイブン・スプリングスはカントリーな雰囲気の街で、花にあふれている。景色の良さはシリーズ中最高なのではないだろうか。街を探索しながら、ディズニーランドのクリッターカントリーとかウェスタンランドを歩いているような気分になった。


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『2』の感想はこちら。

nhhntrdr.hatenablog.com

 

 

まず、今回の記事に関して注意書きをば。

今作だけでなく、過去作の結末にも思いっきり触れているので、くれぐれもネタバレ注意で。

もうひとつ。今回の感想はポジティブな内容ではないので、『トゥルーカラーズ』が好きな方にはご注意いただきたい。

 

 

 

 

 

 

正直なところ、物足りなかった。クリア後に検索してみたところ、過去作に比べてボリュームが少ないとのこと。確かに、過去作(特に『1』と『2』)って、クリアにもっと時間を要していたような気もする。エピソードは『1』『2』と同じく5つあるのだが、割とあっさり終わったような感じが残る。

 

 

ほかに、物足りなかった部分として、プレイ中にハラハラさせられることが少なかったという点もある。過去作に比べて「敵対者の目をかいくぐって、証拠品を探す」「放っておくと死んでしまう状況にいる味方を、必要な道具を探す等して助ける」「敵に拘束されている状況で、どう切り抜けるかを模索する」といったゲーム的にスリルのあるミッションが少なかったな、という印象。

 

ストーリー自体も浮き沈みが比較的緩やかだったように思う。プレイしてヒヤッとなった部分は「主人公の兄の死」「敵対者の正体が判明した瞬間」ぐらいだったのが個人的には残念だった。特に後者では、敵対者から絶体絶命の状況に追い込まれるわけだが、プレイヤーとしては進行可能な道をひたすら進むだけでクリアできたのが非常に物足りない。周りを見回して、必要な道具を拾ったり、敵から姿を隠したりする必要がなく、あっさり状況を打破できちゃったわけで。

『1』『2』は頻繁に絶望的な状況に追い込まれて、「どーすりゃいいんだ、この状況」と思わされることが多く、それを打破したときのカタルシスは素晴らしかったので、もっとプレイヤーとしてハラハラさせられたかったなぁというのが正直な気持ちだ。

 

 

最後の選択肢*1も、個人的には物足りなかった。『1』『ビフォアザストーム』『2』と最後の選択肢を突きつけられるたび、頭を抱えさせられたものだった。どちらの選択肢も完全な正解ではなく、何かしらの不幸が待っている。プレイヤーは「何を得て、何を捨てるのか」を問われるわけだ。

『トゥルーカラーズ』の場合、どちらを選んでも主人公は幸せになれることが予想できるもので、かなり拍子抜けしてしまった(ハッピーエンドになることは事前に知っていたのだが、ここまで緊迫感のない選択肢だとは思わなかった)。その上、どちらの選択肢を選んでも、エンディングが超短時間で終わってしまって、さらに私は不完全燃焼になった。ハッピーエンドなのは良いけど、あまりにも余韻がなさ過ぎるというか何というか……。

 

 

あと、「主人公が女性」「主人公が超能力を使用できる」「最終話で主人公が、自身のネガティブな感情の象徴となる空間に囚われる」等々、『1』を彷彿とさせる要素が多かったな、という印象。そのため、どうしても『1』と比較しながらのプレイになってしまった。『1』のハラハラとさせられるミッションやキャラクター間の人間関係の複雑さ、親友や仲の悪い同級生との対話や理解の積み重ね、超能力を使ったギミックの面白さなど、『1』の良さと比べると、どうしても今作は弱く感じてしまう。『1』の出来が良すぎて、ストーリーも面白すぎるものでなぁ……。

 

 

などと『トゥルーカラーズ』に対しての愚痴オンパレードになって申し訳ない。それでもプレイ中は、困難な状況に立ち向かっている主人公アレックスに声援を送りたくなったし、「他者の感情を読み取り、その上でプレイヤーがどう動くか」というギミックは面白かった。また、舞台が過去作のどれとも違った雰囲気の場所だったのも良かった(作品ごとに違ったテイストがあるのって好きだな~)。

私は『1』『2』と比べてしまってイマイチ乗り切れなかったが、立派な良作ゲームだと思う。コロラド州の自然豊かな景色を堪能できたのも良かった。

 

 

 

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*1:『LIS』シリーズお馴染み、最後の最後にプレイヤーに突きつけられる選択肢。その内容は「街を救うために親友を犠牲にするか、親友を選んで街が滅亡するのを見過ごすか」といった感じで、簡単に選択できないものとなっている。