映画っていいねえ。本っていいねえ。

映画や本の感想など。ネタバレ全開なので、ご注意ください。

最近読んでいる本についての雑感

またしても更新をサボっておりました。現在、バタバタしておりまして、腰の重い私にしては珍しく、新幹線の距離を行ったり来たりしております。基本的にスーパーインドア体質で外出嫌い。ひどいときは関東から出ないまま一年を過ごした年もあるくらいな人間なのですが、こんなにバンバン出かけることになろうとは。ひぃ、疲れる。でも新幹線で駅弁食べるのは好き。

 

そういうわけで移動中などに読んだ本の感想をマジで手短に書いてみようかと思います。

 

 

入江曜子『我が名はエリザベス』

ラストエンペラー』で有名な愛新覚羅溥儀の妻・婉容についての小説。16歳で溥儀のもとに嫁ぎ、40歳で亡くなるまでが描かれている。現在、読んでいる途中。

 

もともと婉容が好きだったので購入した本。婉容のどこが好きかと言われると、まずは(身も蓋もない言い方になるが)顔だと言いたい。とにかく美人なのだ。さらに、嫁ぐまでは天津のフランス租界で西洋式の教育を受けて育ったため、当時では先進的な考えを持っていたというところにも惹かれた。「婉容 自転車」で検索すると、彼女が自転車を漕いでいる写真が出てくると思う。満州旗人らしく旗袍を着込んだ姿と自転車のギャップが可愛らしい、私の好きな一枚だ。また、『映像の世紀 第11集』で紹介されている婉容の映像も良い。溥儀と談笑している最中なのか、屈託のない笑顔を見せてくれている。この様子が本当に可愛いのだ。

 

『我が名はエリザベス』では西洋式の暮らしを送り恋愛結婚を夢見ていた少女が、旧態依然とした風習の残る紫禁城に輿入れしたことで経験する苦悩や理不尽さが、これでもかと描写されている。清朝が滅び中華民国になった後も紫禁城の中は清朝のまま。思い通りに夫である溥儀に会うこともできず、また溥儀は同性愛者だったため、妻として愛されることもない。なまじ恋愛という概念を知っているだけに、割り切れなさを感じる婉容の姿が読んでいて辛い。

 

まだ3分の1ぐらいまでしか読んでいないので、感想はここまで。史実の婉容は後にアヘン中毒になり、壮絶な最期を遂げている。この作品の婉容は何がきっかけでアヘンに手を出し、どのように転がり落ちていくのか。考えるだけで胃が痛くなるが、最後まで見届けたいと思う。

 

 

篠田節子『仮想儀礼

「よし!宗教つくって金儲けだ!」というノリで宗教を立ち上げた男たちが主人公の小説。カリスマ性を持ち合わせているのか、割と順調に信者が増えていく。ただ、読めば読むほどに、教祖の思惑を超えて暴走していく信者たちが恐ろしくなってくる。後半になると、この宗教を先導しているのが教祖なのか信者なのかが最早わからない状態へと突入する。あくまでも信者には教団を乗っ取ろうという意志はない。彼らの中心は「神的な存在である教祖」なのだ。それゆえに「人間としての教祖」を強烈に否定する。その様子がグロテスクだった。

 

 

我孫子武丸『殺戮にいたる病』

私は電子書籍で読んだのだが、紙の書籍には「犯人は蒲生稔」と書かれた帯が付いていたと後で知り、うっかり笑ってしまった。これがネタバレにならないというのが、この作品のすごさであり恐ろしさである。

あまり前知識を入れない状態で読んだのだが、今でもネタバレに触れずに読めたのはラッキーだったと感じている。というわけで未読の方はネタバレとかあらすじとかに出くわす前に本作を読んでしまいましょう。大丈夫。先が気になるあまり、あっという間に読めますので!