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『モアナと伝説の海2』感想(ネタバレあり)

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※注意!『モアナと伝説の海2』及び前作『モアナと伝説の海』のネタバレがあります。

 

 

 

 

とりあえずひと言。良かったです。

※1回目の観賞直後に書いた記事

nhhntrdr.hatenablog.com

 

あと、これから見に行く人に更なるひと言。

お願いだからエンドロールは最後まで見てください。

 

 

 

では感想入ります。ネタバレ注意です。グーッとスクロールしてください。

 

 

 

 

 

 

 

再度言うが、本当に良かった。前作を尊重し、大切にしながらつくってくれたことが伝わってくるような作品だった。

前作で自分のあり方を見つけたモアナ。彼女にとっての自分のコアの象徴がモトゥヌイとして描かれていたように思う。そんな中、また危険な旅に出る必要に迫られるわけである。その旅に対して「自分を見失ってしまうかもしれない」とモアナは怯える。

 

前作でモアナは「私は海に選ばれた。でも、なぜ選ばれたのかがわからない」という旨の言葉を頻繁に口にしていた。モトゥヌイを飛び出して海へと冒険に出たのは、海によって選ばれ、女神テ・フィティの心を返すように指名づけられたから。

しかし、途中で彼女は「海から選ばれた」というアイデンティティを失ってしまう。ならば、モアナにとってこれ以上旅を続ける道理はない。それでもなぜか彼女は引き返せない。それはモアナ自身の心が「旅に出たい」と呼び掛けていたから。かつて、彼女の祖先が自分の心に従って海を旅していたのと同じだったのである。

 

前作『モアナと伝説の海』はモアナという少女が自分のあり方を見つけるまでの物語で、その中では祖先と祖母という死者が大きく関わっているのが特徴的だと私は思う。モアナは決してボウフラのように湧いて生まれてきたわけではなく、祖先が脈々と繋いできたものの先に生まれてきた。だからこそ、モアナが絶望したとき、かつて祖先が行ってきたことや、今は亡き祖母の言葉によって自分を取り戻すに至るのである。モアナという個人が成り立っているのは、祖先や祖母が積み上げてきたものとモアナ自身の心の召命が組み合わさってのこと。モアナという個人を示す点だけでなく、過去から現在に繋がる時間という流れも絡んでいるわけだ。

前作ではそういった時間という縦軸が上手く描かれていたと思う。

 

そして今作である。今作はモトゥヌイの民とは異なる民族とのつながりを目指す話になっている。どうやら海の向こうには、自分たち以外にも人間がいるらしい。探しに行こう、というわけだ。つまるところ、今回は空間という横の広がりを求める横軸の話なのだと思う。紆余曲折あってモアナは横軸の先にいる人々との接触を果たした。

で、続編を匂わせるあのシーンに繋がるわけである。

 

海の民がつながる場所「モトゥフェトゥ」。そんなモトゥフェトゥを海の底に沈めた嵐の神ナロが本格的にモアナと対峙することが示唆されている。人々の交流を望まないナロは、横軸のつながりを分断する存在である。

さらに、モアナの祖先タウタイ・ヴァサはモトゥフェトゥを目指したものの、ナロによって妨害されたであろうことも描かれている。ナロは縦軸にも絡んでいるわけである。

 

ということで、次回の『モアナ』はモアナによる縦軸・横軸連合軍VSナロの時と空間を超えた戦いになるのじゃないかと勝手に期待している。さらに、今回モアナには「道はひとつだけではない。自由だ」とも示されている。時間という縦軸を描いた前作、空間という横軸を描いた今作を経て、次回作でモアナが見つける道は四次元的なものになると嬉しいなー、なんて思う。四次元的って何だ。私自身よく分かんなくて済みません。とにかく、次回作はそれだけ壮大な内容になって欲しいと思うし、今作の制作陣なら期待できそうな気がする。

 

 

しかし、今作は前作のキャラクターの扱いが非常に良かった。特にカカモラ!まさかねぇ、モアナと共闘するとはねぇ。かつての敵との共闘なんて最高じゃないか。ヘイヘイに寄り添っているシーンは思わずほっこりしたよ…。

で、「カカモラが出るならタマトアも出るの?あれ、出ない。やっぱり尺の問題でタマトアまでは無理か…」としょんぼりしていたところで、あの続編匂わせシーンですよ。タマトアとの再戦期待してもいいんですね!?「シャイニー」みたいな不気味かつ魅力的なシーン、頼みます。

あと、マウイ。前作で一皮むけたおかげで、今回は安定感が半端ない。心折れそうになったモアナを励ましてくれるシーンは、非常に彼らしくいユニークさがあって非常に良かった!あのビリーズ・ブート・キャンプ的な感じ、マウイらしくて良きかな良きかな。

もひとつ、新キャラ・マタンギ。彼女の身の上等は次回以降に持ち越しになるんだろうけれど、今作での歌が非常に好みだった。昭和とか平成初期の演歌とか歌謡曲のテイストに似たような感じで、個人的に親しみを感じるメロディというか。しかも吹き替え版のマタンギ役はソニンとな!またソニンの歌声が聴けるとは嬉しい限り。私、「おっととっと夏だぜ!」の世代なのでね。

 

 

というわけで、前作ファンとしては満足だった。ひとつ前の記事に書いた通り、前作に比べると物足りない部分もあるけれど、続編があるというのなら許容範囲かな、と思う。今作は『スターウォーズ エピソード5』とか『バック・トゥ・ザ・フューチャー パート2』のような立ち位置と考えれば良いんですよね?次回、諸々の伏線を回収しつつ、壮大に終えてくれるのならオッケーです。

早くも次回作が楽しみだ。制作中止とかにならないことだけ強く祈っておこうと思う。さて、来年の初詣で神様に祈願してこなければ。

 

 

 

※前作の感想記事

nhhntrdr.hatenablog.com

 

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