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アニメ版『進撃の巨人』一気見した

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※注意!『進撃の巨人』のネタバレがあります。

 

 

 

最近アニメ版『進撃の巨人』(以下『進撃』)が完結したと聞いて、一気見した。『進撃』に関してはアニメ版第一期が放送されていた時期に途中まで見ていた程度で原作は未読。全94話と知って最初は尻込みもしたが、一度見始めたら止まらなくなった。これはヤバい。どうして第一期放送時、途中で見るのをやめたんだ、当時の私よ。勿体ないことしたな。

 

正直、第一期を見ていたときは「王道の少年漫画」という印象しかなかった。まさか話が進めば進むほど、こっちの認識をぐらんぐらんに揺さぶってくる話だとは。物語開始後しばらくは「人類=善、巨人=悪」と思いながら見るわけだが、徐々にその前提が危うくなってくる。謎めいた世界の真実が見えてくるほどに、善悪の判別がつかなくなってくる。勧善懲悪の話だと思って見始めたら、まったくそんなことのない、現代にも通じる普遍的な話であったことを知らされた。

物語とは葛藤だと言われる。まったく思惑の違った人間同士がぶつかり合うことで、物語は推進力を増してくる。という理屈は何となくわかっているものの、それが本当に何となくだったことが『進撃』を見たことで実感した。葛藤とは「お前の目的が達成されたら、こっちは破滅してしまうんだよ(だから達成させねえよ)」という意思を持った者同士のぶつかり合いに尽きるのではなかろうか。

 

それにしても、オープニングとエンディングのクオリティの高さと来たら。『進撃』と言えば立体機動装置による縦横無尽のアクションだが、第一期、第二期のオープニングの立体機動アクションは見ていて爽快だし、血がたぎってくる。Linked Horizonによる第一期の「紅蓮の弓矢」「自由の翼」、第二期の「心臓を捧げよ」の歌詞を今読むと、人類側の強烈なプロパガンダソングに思えたりもした(誤解しないでいただきたいが、どの曲も私は大好きだ)。まだ敵が普遍的な悪だとされていた頃の、人類側に信念があった頃の力強さが今となっては懐かしい。

これが第三期Part1の「Red Swan」のエレンたち個々人の心情に寄り添うような内容を挟み、Part2ではまたLinked Horizonの楽曲が戻ってくる。しかし「憧憬と屍の道」では、第一期・第二期にはなかった葛藤が見えてくるわけで。恐らく調査兵団団長のエルヴィンの心情を意識した内容なのだと思うが、「悪魔は~」のパートで彼が画面に映るのがエグいな(褒めてます)と思った。

「The Final Season」と呼ばれる第四期。今までの「人類=善、巨人=悪」が第三期のラストでバッキバキに壊された後ということで、今までのオープニングの中でも最高に異色で尖っている。エレンたち主要人物は登場せず、第一次世界大戦を思わせる戦場や軍事パレードが延々と映し出される。中毒性の高い曲に中毒性の高い映像で、とにかくクセになる。続いて第四期Part2のオープニング「The Rumbling」では、「遠いところまで来ちまったなぁ…」と感じさせられ、どうしようもなく複雑な気持ちにさせられた。

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しかしまあ、重要人物だろうが死ぬときは死ぬ展開にはやきもきさせられた。それでもコメディリリーフ的なキャラは大丈夫だろうと踏んでいたから、おバカキャラのオルオ・ボザドが死んだときは非常に面食らった。まさか彼が死ぬとは。彼、やたらと格好つけたがるのにキマらず、舌を噛んで流血するような男だぞ。シリアスなシーンなんて似合わないような男だぞ。

というわけで私はショックを受けたし、このとき初めて私は彼のことが大好きだったのだと思い知った。コメディ色の強いキャラでも容赦なく死ぬ。それが『進撃』の非常さなのである。*1

 

というわけで、私は『進撃』のオープニングの中ではオルオが登場する「自由の翼」を特に強く推しておきたいと思う。サビでカッコ良くアクションしていても、死ぬときゃ死ぬなんてなぁ…(涙)

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オルオ以外ではアルミンとエルヴィンが特に好きで、オルオの死後は彼らを心の支えにしていた。していたおかげで、55話では心をバキバキに折られました。ベルトルトも「Free!」の橘真琴に雰囲気が似ていてちょっと好きだったから、さらに心が折れました。

 

 

まだ通し見した直後なので支離滅裂な感想になってしまったが、とりあえず今日はこの辺で。まだOADとか『進撃!巨人中学校』は未見なので、こちらも近いうちに観賞したいと思う。

 

 

 

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*1:それでもなお、私はサシャの無事は信じていた。おバカキャラかつエレンの同僚なんだから、さすがにポジション的に大丈夫だろうと思っていたりもしたのだがねぇ…

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