映画っていいねえ。本っていいねえ。

映画や本の感想など。ネタバレ全開なので、ご注意ください。

映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』感想5回目。「禁断の果実」リンゴを中心に妄想してみる。

※注意!映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』のネタバレがあります。

 

懲りもせず、『ディア・エヴァン・ハンセン』記事である。もし過去記事をすべて読んでくれた方がいるとしたら、私は地面に額を擦りつけて、深い感謝の意を示したい。こんな妄想記事につき合っていただいて、何とお礼を言うべきか……!

 

3回目あたりから妄想度合いが高まってきている当ブログの『ディア・エヴァン・ハンセン』感想記事だが、今回も妄想と思い込みだけで書き連ねている。ほとんど宇宙から受信した電波レベルなので、あらかじめご注意いただきたい。

 

 

 

 

リンゴが出てくる物語

本編中、気になったのがリンゴというモチーフだ。キーワードとなるリンゴ農園だけでなく、コナーが手にしたリンゴの置物、ゾーイが冷蔵庫から取り出すリンゴの実、シンシアのつくったグルテンフリー・アップルパイなど、執拗にリンゴが目に入る。

 

リンゴと言えば、キリスト教では「禁断の果実」「知恵の実」とされる。どうやら研究により、リンゴ以外の果実を指している可能性もあるらしいが、この記事ではリンゴであることを前提に進めさせていただく。

 

 

トラウマ体験がもたらす枷

アダムとイブの食べた実についてのWikipediaページを読んでみた。

知恵の樹 - Wikipedia

「善悪の知識を得たアダムとイヴは、裸の姿を恥ずかしいと思うようになり、イチジクの葉で陰部を隠した」という部分に、エヴァンたちの苦悩を重ねてしまった。幼い頃はただ、無邪気に生きてきた。だが、人生を送るうちに心に傷を負ってしまう。

トラウマ経験が人の思考パターンに影響を与えるということは以下の記事に書いたので、詳しくは割愛する。

nhhntrdr.hatenablog.com

トラウマ経験だけに限らず、我々は人生経験において様々な知識を獲得する。もちろん、生きていく上での糧となる知識は多いが、同時に世の中の常識や偏見なども身につけ、私たちは自分で自分を縛るようになっていく。

 

『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』で、主人公によるクライマックスでのスピーチがこの問題を示唆している。「子どものころは誰もが自信に満ちているのに、トラウマ体験によって自信が消えていく」といった内容のものだ。

 

母ハイディがエヴァンに向かって語りかけるシーンの歌「So Big/ So Small」。その中で言及される幼いエヴァンの姿に、私は胸を締めつけられる。

youtu.be

家を出た父が荷物を取りに戻ったとき、エヴァンはトラックを見てはしゃいでいた。だが、同じ日の夜、エヴァンはハイディに問いかける。「また別のトラックが来て、ママを連れていくの?」

トラックで大喜びするような無邪気な少年が、一瞬にして孤独に怯えるようになる。そんな急激な変化に、心が痛くなる。エヴァンは望まずして知恵の実をかじってしまった。

恐らくコナーは父親の死やその後の出来事によって、ゾーイはすさんだコナーからの暴力行為によって、知恵の実を口にさせられた。

 

 

最後に

かなり電波度の強い内容になって恐縮である。ただ、生きていく上で、色々と経験していくことによって、私たちは子ども時代に比べて多くの枷を追っていくのは事実である。

無邪気な万能感と別れていくことも成長のひとつだが、あまりにも枷が増えすぎると、生きる気力がなくなってしまう。

 

昔、ライムスター宇多丸氏の人生相談を読んで、面白いと思った言葉がある。「根拠のない自信のなさ」だ。

www.iphonejoshibu.com

「根拠のない自信」ならよく聞く言葉だが、こちらは考えてみると新鮮だ。よく考えてみると、生きる上で習得してしまった枷というのが、「根拠のない自信のなさ」なのかもしれない。

 

エヴァンは「本当の自分、最悪の自分を見せたら、みんなに嫌われてしまう」と信じている。トラウマ体験により得てしまった枷だ。その枷に苦しみ、最後は枷を引きちぎった物語が『ディア・エヴァン・ハンセン』なのだろうと思う。

 

 

キリスト教徒の方々、『聖書』を経典とする宗教の方々、今回は大変失礼いたしました。的外れなことを言っておりますが、私が宇宙から受信した電波だと思い、鼻で笑ってやってください。

 

 

 

 

やっぱり観たい、ミュージカル版。

 

 

 

 

nhhntrdr.hatenablog.com