今回はただの自分語りな記事で恐縮な限りだ。だが、語らせていただきたい。
タイトル通り、私が『赤ずきんチャチャ(アニメ版)』と『絶対無敵ライジンオー』によって性癖を決定づけられた話である。
ここにおける性癖は、オタク界隈で使われている意味合いでの性癖で捉えていただきたい。
以下で語る内容は完全なオタク女子的語りであり、BLにも言及しているので、苦手な方は注意していただきたい。
さて、『赤ずきんチャチャ』と『絶対無敵ライジンオー』とはなんぞやというところから軽く触れていきたい。
どちらも90年代にテレビ東京系で放送されたアニメ作品である。『ライジンオー』は91年に、『チャチャ』は94年に放送された。
『ライジンオー』が91年!検索していて顎が外れそうになった。31年前ですと!
とにもかくにも、当時小学生だった私は91年に偶然『ライジンオー』に出会った。なんとなくテレビをつけたままボーッとしていると、18時になるとともにテレビ画面いっぱいに流れた「絶対無敵」の文字。そして始まるOP。今でも名曲と名高い「ドリームシフト」、学校を舞台にしたロボット物だと一発でわかる演出。今見ても血がたぎるようなOPだ。
OPに惹きつけられたまま、本編になだれ込む。この時点で放送開始からかなり経っていたようで、確か10話とかその近辺での話だったと思う。だが、途中から参入した私でも楽しめる内容だった。
なにしろ『ライジンオー』は小学生を主人公にしたロボット物である。自分と同じ小学生がロボットに乗って戦っているというだけで没入感は半端ない。さらに、『ライジンオー』は緊急事態になると学校が変形し、司令室とロボになるというギミックがあった。
普段、我々が通っているあの学校が、敵が来ると変形するなんて!恐らく私だけでなく、当時の小学生は自分の学校も変形しないかなーと妄想していたはずだ。
とにかく小学生の心をくすぐる作品だった。
あっという間に小学生の私は『ライジンオー』に心を掴まれた。
特に私が好きだったキャラは主人公の日向仁。巨大ロボ・ライジンオーのメインパイロットを務めるガキ大将気質の元気な少年だ。
あー、私も仁のようにライジンオーのメインパイロットやりたい。エルドラン(仁たちにライジンオーを押しつけた戦士)、うちの小学校に来ないかな〜。そうだ、仁たちは小学5年生だから、私も5年生になったらライジンオーに乗れるかもしれない。
学業なんてそっちのけで、当時の私はライジンオーに乗れる日が来ることを夢見ていた。
そんなこんなで『ライジンオー』にどハマりしたせいで、私は平日18時になるとテレビ大阪にチャンネルを合わせるようになった。
すごい、今まで知らなかったアニメが沢山ある!と感動した小学生の私は次々と作品を開拓し、見事にアニヲタへの道を歩み始めたのだった。
そして94年。『チャチャ』の放送が始まった。
この頃の私はたまにアニメ雑誌にも手を出すようになっており、新番組情報のページで『チャチャ』についてはある程度把握していた。
ほうほう、この赤ずきんをかぶったチャチャという女の子が変身して戦うんだ〜、などと思いながらチャチャの記事を読んでいく。ふとキャラ紹介の中の「しいね」と書かれた子に目が行った。この子、かわいいな〜と何となく思ったわけである。
先に述べておく。私はしいねちゃんに性癖を決定づけられた。
上のサムネイルの子がしいねちゃんである。最初、私はショートカットの女の子だと勘違いしたが、れっきとした男の子だ。
しいねちゃんは主人公チャチャに恋する男の子。と言ってもチャチャの相手役は彼ではなく、チャチャの幼馴染リーヤだ。しいねちゃんは当て馬的キャラだと思ってもらって良い。
チャチャとリーヤは幼馴染だから、割と関係が出来上がっている。しいねちゃんはそれでも頑張ってチャチャにアピールするが、どうしてもリーヤには勝てないという不憫さが、私の判官贔屓精神を刺激した。
頑張れ、しいねちゃん!リーヤに負けるな!小学生の私は純粋にしいねちゃんを応援していた。
さて、チャチャは魔法の国のプリンセスという設定があり、悪の大魔王が派遣する敵が毎回チャチャを狙って現れる。
だが、チャチャも丸腰ではない。リーヤ、しいねちゃんの協力のもと、マジカルプリンセスという美少女戦士的キャラに変身して戦うのだ。
当初はチャチャとリーヤとその他一人的な感じで不憫だったしいねちゃんも、敵との戦いや日常生活を通じて2人と仲を深めていく。
最初はチャチャを巡って険悪な仲だったリーヤとも、やがて「喧嘩するほど仲がいい」といった関係へと変化していった。
そんな折、私は『アニメディア』というアニメ雑誌の投稿コーナーにある「やおい」という言葉を目にした。
やおいとは、ざっくりと言えば今のBLに当たる言葉だ。
アニメファンの界隈では、原作では恋人同士でない男性キャラ同士を恋愛関係にあるように描写する文化があるらしい。これは小学生の私にとって大きな出会いだった。
もともと、私は幼い頃からホモネタには全く拒否感がなかった。そして、テレビで男性が女装しているところを見ると、訳もわからずときめきを覚えていたものだった(それを親に言ってはならないと、なぜか理解していた)。
おかげで私は「やおい」に対して拒否反応を示すことなく、むしろ興味を抱いてしまった。
そういや、しいねちゃんってリーヤとカップルっぽいよな。小学生の私の脳裏に邪悪な考えが浮かび上がる。
そうなると、「喧嘩するほど仲がいい」リーヤとしいねちゃんが怪しく見え始めてくる。
2人ともいつも喧嘩してるけど、心の奥底では好き合っているんだよね!もー、照れちゃって!
小学生時代、クラスで仲の良い男女を皆で冷やかすことがちょくちょくあったわけだが、あのときの私の心境はこれに近いものがあった。
『チャチャ』は全74話の作品だったのだが、31話あたりからはすべて邪な目で堪能した。リーヤやしいねちゃんが発したちょっとしたセリフを拡大解釈し、ジタバタと悶えたりもした。今思うと嫌な小学生だ。お年玉を取り上げろ。
かくして『ライジンオー』でオタク道を歩み始めた私は『チャチャ』によってどっぷり沼にはまってしまった。
アニメイトに行くという行為を覚えたのもこの頃だ。
なけなしのお小遣いをつぎ込み、『チャチャ』のポスターや下敷き、生写真やラミカを買ったものだ(この頃はアクキーとかアクリルスタンドはなく、ラミネートカードや生写真とかが主流だったのだ)。
どうでも良いが、当時の私はアニメイト店内を眺め回し、当時の覇権アニメだった『幽遊白書』などのグッズの充実っぷりが羨ましく思ったりもした。
グッズがあるだけありがたいとはいえ、『チャチャ』はキャラ単体のグッズはなかったのだ。
妖狐蔵馬やプリティサミーなどの人気キャラの等身大ポスターを見ながら、「しいねちゃんの等身大ポスター出ないかな……」と妄想したものだった。出たところで小学生の私に手が出せる値段ではないのだがね!
そして、アニメイトにあった『チャチャ』の同人誌を買ったりもした。全年齢向けギャグ同人だったのは、今思うと幸いだった。そこまで道を踏み外さず済んだのだから。いや、親に知られたら泣かれるという点では五十歩百歩か。
ちなみに実際に私が性行為描写のあるやおい同人誌を読むのは、大学生になってからである。
さて、『チャチャ』との出会いにより、私は「やんちゃ男子×優等生男子」のカップリングが性癖になった。また、作品における「二番手の男性キャラ」にもめっぽう弱くなった。
例えば三国志。呉の孫策を扱った作品だと、孫策が主人公で周瑜が二番手となることが多い。それもあってか、私は周瑜を三国志で一番推しているわけだ。さらには大体の作品で、孫策はヤンチャ、周瑜は優等生として描かれる。これはもう、ハマるしかない。
最近、dアニメストアに『チャチャ』が追加されたので、特に好きだったエピソードをつまんでみた。
今はおばさんになり、ヲタク気質も落ち着いてきたと思っていたのだが、やっぱりリーヤとしいねちゃんの喧嘩ップルぶりを見ると悶絶してしまう。
大体、しいねちゃんはずるいと思う。彼は優等生で周りの人に対して礼儀正しく接している。同い年のキャラに対しても敬語を使うぐらいだ。
だが、リーヤに対してだけは例外なのだ。タメ口で話し、「このバカ犬!(リーヤは狼男)」と罵倒する。そのくせして、ここぞというときにはリーヤへの協力を惜しまない。
立派なツンデレじゃないか!しかもツンが9割5分というツン多めのツンデレだ。
ちなみにしいねちゃんを演じているのは日高のり子さん。『らんま1/2』でヒロインのあかねを演じていた人だ。あかねも主人公の乱馬を好きなくせに素直になれず、普段は「乱馬のバカ!」と言っているようなキャラだ。
しいねちゃん、ツンデレヒロインを地で行ってやがる……。改めて観賞して戦慄した次第である。
ずるいと言えば、リーヤもずるい。普段はチャチャを巡ってしいねちゃんと喧嘩しているのに、お腹がすいたり疲れたりすると、しいねちゃんに甘える。チャチャでなはく、しいねちゃんにである。
「しいねちゃん〜、お腹すいた〜」と言って抱きつく姿は、私の枯れかけていた腐れ魂を揺さぶってくる。
リーヤ、どうしてチャチャに甘えないの?チャチャのこと好きなんだろ?だったら、しいねちゃんじゃなくてチャチャに甘えるべきじゃね?
とにかく私はリーヤに小一時間問い詰めたい。
おバカキャラという設定なのに、どうしてこうもあざといのか。小学生のときもリーヤに悶絶したが、むしろおばさんになった今のほうがリーヤのかわいさにのたうちまわりそうになる。
そんなわけで、『チャチャ』によって私のオタク道の方向性が定まり、ほかの作品にもハマるときも、リーヤ×しいねちゃん的なコンビや優等生な二番手男子に夢中になるのだった。
今でも好みはそこまで変わっていないのだが、近年、好みが先祖返りしつつある。
そう、しいねちゃんにハマる前、私は『ライジンオー』の仁が好きだった。
最近、ガキ大将気質のやんちゃな男性キャラを見ると、応援したい気持ちが湧いてくる。年をとった分、甥を見るような気持ちになっているのかもしれない。まあ、そもそもリーヤもやんちゃ男子だしな!と、勝手に自分で納得していたりもする。
かなりどうでもいいが、今初めて『ライジンオー』を見たとしたら、ハマるのは仁ではなく鳳王パイロットの月城飛鳥なんだろうなぁと思う。二番手キャラで優等生、しかもヘタレ属性もあるので、私の好みそのものなのだ。
とりとめのない内容になったが、アニヲタとして性癖が固まった頃の話をしてみた。
最後まで読んでくれた方には感謝しかない。やっぱり萌え語りって楽しいよね!
※『ライジンオー』と同じシリーズの作品『熱血最強ゴウザウラー』についても語ってみた。
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