映画っていいねえ。本っていいねえ。

映画や本の感想など。ネタバレ全開なので、ご注意ください。

12月に映画館で観た作品について

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先日、こういう記事を書いた。

nhhntrdr.hatenablog.com

ざっくり説明すると、ふとしたきっかけで普段なら絶対に見ないであろう映画を見たところ、これが最高の作品だった!今まで食わず嫌いしていた作品にも、私の好みに合うものがあるかもしれない!もっとランダムに映画を楽しんでやるぜ!という意見表明の記事である。

 

というわけで、備忘録も兼ねて今月映画館で観た作品を挙げてみたいと思う。あまりネタバレはしない方向だが、ある程度は内容に触れるので、そのつもりでお読みいただきたい。

 

 

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

現在、人気沸騰中の作品。かく言う私も評判が良いのを聞いて見に行ったクチである。『ゲゲゲの鬼太郎』はまったく詳しくないくても十分に楽しめたので、「大人気みたいだけど、鬼太郎よく知らないからなぁ」と二の足踏んでいる方にもオススメだ。

昭和31年の敗戦から立ち直りつつある日本が舞台だが、戦争の影響はまだ色濃く残っている。厳格な家父長制、戦争の傷が癒えきらない人々ということで、大島渚監督の『儀式』を思い出した。個人的には主要キャラの水木が大変好みでした。昭和のサラリーマンは良いわ~。

www.kitaro-tanjo.com

 

ロスト・フライト

航空パニック物と脱出サバイバル物が合体したハイブリッド作品。パニック物もサバイバル物も普段は食わず嫌いしているので、いつもならスルーしていたと思うが、実際に見てみると非常に良かった!

何というか、この「手堅く面白い」っていう作品って素晴らしいものだなと実感した次第。普段の私はヒューマンドラマ物を好んで見ているのだが、非常に言いにくいことだがヒューマンドラマって当たりはとことん当たりだけど、外れはとことん外れなのである。作り手の倫理観とこちらの倫理観にズレがあると、どうしても没入できずにシラけたままで終わってしまうというか。それに対し『ロスト・フライト』の確実に物語世界にグイグイ引き込んで、離してくれない力強さは心地よかった。

パニック物なんて精神的に落ち着かないからイヤだとか思っていたけれど、本当にただの食わず嫌いだったのだと痛感させられた。視野を広げてもらいました、本当にありがとうございます!

lostflight.jp

 

ナポレオン

『ナポレオン』については別途、感想記事をアップしたいと思う。今まとめるのにヒーヒー言っているところでございます。

www.napoleon-movie.jp

 

戦国時代には疎い人間だが、めちゃくちゃ楽しめた。織田信長、明智光秀といった生粋の侍たちと百姓上がりの羽柴秀吉の感覚のギャップが面白い。最後のシーンは呆気にとられたけれど、時間が経つにつれてゾクゾク来ましたよ!最高の終わらせ方だわ~。

movies.kadokawa.co.jp

 

ウィッシュ

すでに感想をアップしているので、詳しくはこちらの記事へ。

nhhntrdr.hatenablog.com

あまり良い評判を聞かないが、「まあそうだろうな」と感じているところ。私自身は好きなのだが、とはいえ手放しで褒められるかと言えばそうではなく、結構穴の多いストーリーだとは思う。ただ、何だか嫌いになれないんだよなー。何だろう、この切なさ。ああ、そうだ。ジブリ版『ゲド戦記』が上映されているときも、この切なさを感じたっけなぁ。

ただ映画館で小さな子が「ウィッシュ~この願い~」を歌っていたり、アーシャのパネルと写真を撮ったりしているところを目にしたりもする。きちんと子供たちに夢を与えることができているのなら、この映画はそれなりに成功なんじゃないかと私は思っている。

『ウィッシュ』に対する評価が甘いことは十分に自覚しています。許して…|ω・`)

www.disney.co.jp

 

窓ぎわのトットちゃん

こちらも評判が良いので行ってみた。黒柳徹子さんの自伝小説を原作にした作品。

ちょっと個性が強すぎる主人公トットちゃんがトモエ学園という学校に転校したところから物語は始まる。前半はトモエ学園の風変わりな教育の中でトットちゃんたち児童がのびのびと学んでいく様子が描かれるが、中盤からはそこに少しずつ戦争の影が忍び寄っていく。

トットちゃんが主人公の物語ではあるが、トットちゃん自身だけでなく、彼女を取りまく"第二の自然"が丹念に描かれている点が良かった。所謂「世界は主人公のためにある」といった作品ではなく、「主人公は世界の中にいる数多の人々の中の一人にすぎない」という作品なのである。だからこそトットちゃんや彼女の周りの人々に対して戦争や死という容赦ない不条理が襲いかかり、積み上げてきたものをあっさりと世界は蹴り崩していく。だからと言って絶望的な作品では決してなく、そんな理不尽な世界の中でも何かを残そうとする人々の力強さを感じさせられた。

それにしてもトットちゃん役の大野りりあなさんの演技力には終始圧倒された。鑑賞中「この子誰なんだ!?エンドロールで絶対確認してやる!絶対に名前を覚えてやる!」と意気込んだものだった。大野りりあなさん、今後の活躍を楽しみにしてます!本当に素晴らしい演技でした!

tottochan-movie.jp

 

映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ

映画第一弾は過去に感想を書いた。

nhhntrdr.hatenablog.com

今回は第三弾。相変わらずすみっコたちは可愛いし、みんながぴょこぴょこ動いている様子は見ていて至福だった。と思いきや、メリトクラシーに対する異議申し立てがあったりして、なかなかに芯のあるストーリーだったと思う。それでも絵面がゆるやかまったりなので、終始楽しんで観られるのでご安心を。個人的にはとんかつのカーアクションがツボでした!

sumikkogurashi-movie.com

 

PERFECT DAYS

東京在住のトイレ掃除業者・平山の何の変哲もない日々を描いた作品。何の変哲もないと言えども、誰と出会うか、何をするかで、その日その日に微妙な変化が生じて、結果的に二度と戻って来ない唯一無二の日になっていく。それを描くにあたって、最初は基本となる「平山の一日」を描いているのがいい。そのおかげで「あ、ここで変化した!」と気付いたりするわけである。現在『8番出口』というゲームが人気だが、鑑賞中にこれを思い出したりもした。あ、『PERFECT DAYS』はホラーではありません、念のため。

まだ鑑賞直後のため、パンフレットが読めていない。この記事をアップした後、ゆっくり読む予定。

www.perfectdays-movie.jp

 

 

番外編:TALK TO ME トーク・トゥ・ミー

映画館で観たかったけれど、グズグズしているうちに最寄りの劇場では夜の上映分しかない状態に。ホラー見た後に夜道歩くのは無理無理無理の無理*1なので、アマプラかWOWOWに来てくれるのを大人しく待ってます。

gaga.ne.jp

 

*1:若い頃に『ザ・リング』(『リング』のハリウッドリメイク版を映画館で観た後、半泣きになりながら夜の道を自転車走らせて帰ったことがある。)