映画っていいねえ。本っていいねえ。

映画や本の感想など。ネタバレ全開なので、ご注意ください。

『孫子』を読むなら、元阪神監督・岡田彰布氏のコメントを解読するデイリースポーツ記者の気持ちになってみようという提案

私事だが、今年の7/10に開催された三国志学会主催の「第7回“三国志”の作り方講座」に参加した。 sangokushi.gakkaisv.org このときのテーマが三国志研究の第一人者・渡邉義浩先生による「後漢末から三国時代における教育」で、三国時代を生きた人々がどの機…

『ディア・エヴァン・ハンセン』感想7回目。シンシア・マーフィーが果たした役割は何だったのか。

※注意!映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』のネタバレがあります。 『ディア・エヴァン・ハンセン』記事も第7回目だ。今まで色々と書いてきたが、ゾーイとコナーの母シンシアに関して、いまいち考えがまとまらずにいた。 3回目の観賞を経て、「これかも」…

【随時更新】映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』感想記事まとめ

当ブログの『ディア・エヴァン・ハンセン』記事が増えてきたので、まとめページを作ってみた。古いものから順番に並べている。 考えがあっちへ行ったりこっちへ行ったりしている過程がまるっと残っているかと思う。これからも考えが変わることもあるかと思う…

映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』感想6回目。リンゴが何を象徴していたのか。前回の記事を訂正しつつ、妄想してみる。

※注意!映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』のネタバレがあります。 ようやく『ディア・エヴァン・ハンセン』3回目の観賞ができた。相変わらず「Waving Through a Window」のイントロが聞こえた時点で泣き、「You Will Be Found」でズビズビ鼻を啜り、「Wo…

『ヒカルの碁』ネタバレ感想――少年は成長し、やがて親殺しを果たす

※注意!ほったゆみ、小畑健『ヒカルの碁』のネタバレがあります。 今年で『ヒカルの碁』20周年だそうで、うわぁ、もうそんなに経つのか、早いなぁ、私も年を取るわけだ、と思った次第である。 かつて囲碁ブームを巻き起こしたこの作品。これをきっかけに囲碁…

『モアナと伝説の海』ネタバレ感想――死者をメンターにして、彼女は旅に出る

※注意!『モアナと伝説の海』『シャーロットのおくりもの』のネタバレがあります。 前回の記事では「感動で泣きすぎて、むしろ命の危険を感じる作品」として『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』について取り上げた。 nhhntrdr.hatenablog.com 「感…

『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』ネタバレ感想――タイムトラベルができたからこそ彼は時間の大切さを知った

※注意!『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』のネタバレがあります。 涙活という言葉が流行ったことがあったなぁとふと思い出す。 今でも私は映画で涙活してはスッキリすることが多い。もともと感動しやすい人間なので、ちょっとしたことですぐ涙ド…

『アンナと王様』ネタバレ感想――知性と知性のぶつかり合いが、愛へと変わる

※注意!『アンナと王様』『王様と私』『アンナとシャム王』アニメ版『王様と私』のネタバレがあります。 昔、「『アンナと王様』が好きです」と言ったところ、相手から「あんな映画はダメだ。『王様と私』を観なさい」と言われた。『王様と私』も観た上で、…

『サーミの血』ネタバレ感想――自己実現は喜びばかりではない。罪悪感に囚われた少女の物語

※注意!『サーミの血』『アナと雪の女王2』のネタバレがあります。 Amazonプライムビデオの「見放題が終了間近」のカテゴリにあったので、なんとなくのノリで観賞した。アマプラのあらすじを見て、「なるほど。旧態依然とした生まれ故郷が嫌になっていたとこ…

「主人公が成長しない作品――窓辺系」に対する雑感。三宅隆太『スクリプトドクターの脚本教室・初級篇』を読みつつ。

※注意!映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』のネタバレがあります。 映画や小説をはじめとするストーリーもののレビューに対して、ちょくちょく「主人公の成長が見られない」という指摘を見かける。かく言う私も主人公の成長が感じられないと、割とモヤモ…