映画っていいねえ。本っていいねえ。

映画や本の感想など。ネタバレ全開なので、ご注意ください。

読書

『孫子』を読むなら、元阪神監督・岡田彰布氏のコメントを解読するデイリースポーツ記者の気持ちになってみようという提案

私事だが、今年の7/10に開催された三国志学会主催の「第7回“三国志”の作り方講座」に参加した。 sangokushi.gakkaisv.org このときのテーマが三国志研究の第一人者・渡邉義浩先生による「後漢末から三国時代における教育」で、三国時代を生きた人々がどの機…

『ヒカルの碁』ネタバレ感想――少年は成長し、やがて親殺しを果たす

※注意!ほったゆみ、小畑健『ヒカルの碁』のネタバレがあります。 今年で『ヒカルの碁』20周年だそうで、うわぁ、もうそんなに経つのか、早いなぁ、私も年を取るわけだ、と思った次第である。 かつて囲碁ブームを巻き起こしたこの作品。これをきっかけに囲碁…

「主人公が成長しない作品――窓辺系」に対する雑感。三宅隆太『スクリプトドクターの脚本教室・初級篇』を読みつつ。

※注意!映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』のネタバレがあります。 映画や小説をはじめとするストーリーもののレビューに対して、ちょくちょく「主人公の成長が見られない」という指摘を見かける。かく言う私も主人公の成長が感じられないと、割とモヤモ…

本や映画を紹介しつつ、私の三国志遍歴を辿ってみる

突然だが、三国志が好きだ。ガチ勢と名乗るのは憚られるが、赤壁や官渡に行ったことがあるレベルにはファンである。 ファーストコンタクト そもそもの出会いは高校生のとき。その頃の私は『彼氏彼女の事情』を読んでいた。手元にないので確かなことが言えな…

村田沙耶香『コンビニ人間』ネタバレ感想――そうだ!私は人間ではなかったのだ!

※注意!村田沙耶香著『コンビニ人間』のネタバレがあります。 「あー、コンビニ好きな人の話なのね」と思っていたら、そうではない。コンビニを命がけで愛している人の話だった。 「正常であれ」と強いられ 古倉さんが言及する「コンビニ店員」とは さいごに…

思春期を描いた名作を読みつつ、あの頃のギラギラした苛立ちについて考えてみる――原田宗典『十七歳だった!』、綿矢りさ『インストール』『蹴りたい背中』

今回はネタバレをしない予定なので、いつもの注意書きはナシの方向で。思春期についての話である。 原田宗典さんにハマっていたあの頃 10代の鬼才が書いた名作『インストール』『蹴りたい背中』 お馬鹿で愛おしい思春期 原田宗典さんにハマっていたあの頃 久…

あの凶悪犯と私たちは全く違う人間だと断言できるだろうか?――加賀乙彦『悪魔のささやき』

※注意!映画『教誨師』のネタバレがあります。 はじめに 普通の人が凶悪犯に変わる さいごに はじめに 映画『教誨師』を観たとき、終盤のシーンでゾッとした。女性死刑囚が花粉症のつらさについて愚痴るシーンだ。教誨師である主人公が花粉症ではないことを…

『鬼滅の刃』の考察記事にアドレナリンが出た!

※注意!『鬼滅の刃』についてのネタバレあり。 realsound.jp とても面白い記事だった! 「うわ〜、こういう考え方が好きだわ〜」と思いながら、楽しんで読ませていただきました、感謝感謝。